時間の感覚が崩壊した。

オタクの日記、考えている事、思った事。井の頭恩賜公園に住んでいます。

「可愛そうにね、元気くん」が織りなす独特な歪さと混濁。

こんばんは!!

 

 

数々の書店を這いずり回り、何度も売り切れを宣告され遂に購入し購読することが叶いました。

 

 そう

 

「可愛そうにね、元気くん」です。

 

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可愛そうにね、元気くん 1 (ヤングジャンプコミックス)

可愛そうにね、元気くん 1 (ヤングジャンプコミックス)

 

 

 

 読了後即座に感情になってしまい上手く言葉に出来ないのですが一言でわかりやすく言い表すと「孫の手」の様な作品であったと思います。

 

平たくこの物語の概要を説明すると"人には言えない性癖"を持った主人公の廣田元気くんがクラスメイトの八千緑七子に恋をするといった内容の話です。ネタバレ無しで話そうと思うとこの程度のことしか言えないのがもどかしいです。

 

性癖がゴリッゴリ。

 

性癖ゴリラ。

 

詳しくは作者の小宮海先生のtwitterに冒頭ストーリーが公開されているのでひとまずそちらを読むことをオススメします。

 

↓リンク

 

 

【ここから先は若干のネタバレと私見になります。】

 

 

さて、ある程度紹介も済んだところでおしまいオタクくん感想タイムに入りたいと思います。

 

結論から言うと「思っていたのとは少々違った。」というのが読み終えた直後の感想でした。誤解を生みそうな言い方になってしまいましたがこれは決して”期待はずれだった”というような意味では無くどちらかというと"期待以上だった"というニュアンスです。というのも僕には"鷺沢守"というキャラの立ち位置が読み終えて尚はっきり見えていないのです。まだ一巻の時点なのでこの鷺沢がこれからどの様な動きを見せどのように物語をブーストさせ、どの様なポジションに安定して行くのかでこの先の話も大きく変わってきます。現時点では単にラブコメ特有の"障害"として機能するようなキャラになっていくとも決めきれませんし本当に今後の展開が読めないですね。

僕としては八千緑と鷺沢の会話での目の描写が不自然に冷たく描かれていたことなどから元気と八千緑と鷺沢の歪な三角関係なんかが見られる可能性もあるんじゃないだろうかと思っています。そうなったら僕的にはおいしいのですがどう転んでも乙なのがこの作品の魅力と言えるでしょう。しかし、こういうのは作者の性癖に正直に書かれた方が確実に面白くなると思うのでどの様な展開であれども性癖を信じて走り抜けて欲しいと思います。

あと、八千緑「私、あの時ちゃんと気づいてたよ、いつもありがとう。」(ダブルミーニング?)のシーンや鷺沢「ヘドが出るわ」「正式な剣道部員ではない」等の部分はこれから使われるパーツになってくるかのでは?と思い込んでます。(オタクはなんでも伏線だと思いがち)

 

激動な展開ではありましたが、単に特殊性癖を撒き散らすだけではなくここまで内容や描写を細かく丁寧に使い分けた作品には今まで数える程しか出会ったことがありません。一体、この先三人はどの様な関係性を築いて行くのか、また八千緑の弟がこれからどのように関わってくるのか、今後の展開にも期待しつつ次巻を待ちたいと思います。

女同士のバチバチなやり合いとかあったら本当に最高ですね。ストーリーに重心が行き過ぎて怪我描写が減ったりしないかなんて心配事も少々ありますが。

 

世間一般的には「イロモノ」の部類に入る漫画なのでしょうがここまで一コマ一コマの描写に目を奪われる作品はそうそうありませんし絵についても一巻の時点でこのレベルの安定感があるなら今後さらに洗練されていくに違いありません。胸を張ってオススメの一冊といえます。

 

本当は気に入った作品を紹介して世に勧めるなんてことはせず一人で一生自己満足して完結したいのですが、このご時世漫画も売れなければ打ち切りになってしまいますし僕のブログを読んだ人が一冊でも多く「可愛そうにね、元気くん」を手にとって作者が打ち切りに怯えること無くのびのびと性癖をぶちまけられる環境が最終話まで続く事を願う限りです。

 

この性癖漫画がスゴい2019グランプリを是非受賞してもらいたいですね。(そんなものはきっとない)

 

今日もおしまいオタクのブログに来てくれてありがとうございました。